2008年、映画ファンの間で傑作として絶賛されてた「ダークナイト」と「ミスト」をようやく見ることができたので今日はその感想でも。
まずはダークナイトから。ヒース・レジャー演じるジョーカーは絶賛されるのも分かるぐらい凄いし、その他も文句が出ない出来なんですが、ちょっと過大評価されてるんじゃないかなぁというのが正直な感想ですね。
というのも、この映画のキモであるストーリーやテーマに対して陳腐さしか感じなかったからなんです。善と悪の境目で悩むのは結構なんですが、その掘り下げが浅すぎて「こんなんでも旧態依然とした『正義』を信奉してきたアメリカ人からすれば斬新な発想なんかな……」と偏見丸出しで斜め上から見てしまうぐらい、ストーリーへの高評価は理解できません。特に日本では、内省的なエンターテイメント作品も多いのに、この程度の話を諸手を挙げて絶賛しちゃいかんだろとさえ思います。
とまぁストーリー面(の評価)に関してだけ気になりましたが、映画自体は本当に丁寧に作られてて映画化作品としてはこれ以上望みようがないハイクオリティなんで、一見の価値はありますよ。高評価を鵜呑みにして俺みたいにいきなりBD買うのはオススメしませんが。(笑)
お次は「ミスト」。原作スティーブン・キング×監督フランク・タラボンのコンビと言えば名作「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」といった傑作を思い出す人も多いでしょうが、今度も傑作でしたよ! スティーブン・キングのホラーって極限状態に追い詰められた人間同士のドロドロとか本性を描くのが主体で、舞台装置自体はあえて陳腐なものにしてわざとB級ホラーっぽくにしてるイメージがあるんですが、今作はその典型でしたね。ていうかB級どころかC級スプラッタでした。(笑)
突如町中に謎の霧が発生→主人公親子がスーパーマーケットに避難→謎の怪物に襲われたという老人が逃げ込んでくる→スーパーマーケットに籠城して怪物の襲撃に抵抗していく内に人々が対立し始める……というベタな展開なんですが、最初から最後まで緊張感が途切れることなく画面に惹きこまれ続けましたね。どんでん返しがあるわけでもない普通のストーリーでも、演出の力でここまで魅せられるなんて凄すぎて唸るしかありません。ショーシャンクの空にもそんな感じでしたし、やっぱ監督の手腕によるところが大きいんでしょうね。
そして原作者も認めたという映画版オリジナルのラスト。どういう内容か既に知ってたんですが、しっくり来すぎて、多分今から原作読んだらもの足りなく感じる気がします。しかしアメリカの映画で主人公が自分の子供を○○する展開持ってくるとはちょっと意外でしたね。俺がアクション映画ばっか見てるせいで知らないだけで、アメリカ産でもモンスターパニックものとかホラーだとありきたりなのかもしれないですけど。
あと映画見終わった後、ネットの感想見てて驚いたんですけど、最後主人公と視線を交わす女の人って序盤に「子供が家で待ってるから帰らなあかん!」つって死亡フラグ満々で出て行った人だったんですね! 完全に死んだものとして自分の中では存在自体頭から消し去っていて(オイ)、「こんなに長く(といっても5秒ぐらいですが)見つめ合うシーンあるってことは何か意味あると思うんだけど……」とちょっと悩んじゃいましたよ。(汗)
賛否両論のストーリーも宗教とか倫理観について凄い考えさせられるし、911以降のアメリカの社会情勢と重ね合わせて分析するのにも耐えられる骨太さがありますね。演技・演出については前述の通り文句ないですし、ストーリーの後味の悪さとC級スプラッタ映画の体裁を取ってることに抵抗がなければ、傑作と評価されるのも納得いきます。……まぁベタベタなスプラッタ描写が結構あって生理的にちょっときつかったので、自分自身、もう一回見るのは抵抗ありますけどね。(苦笑)